君の名は。という映画

入れ替わりものの作品は過去にも多数あるけれど、私の知る限りではほとんど親しい知人や家族の入れ替わりを扱っているはずです。

そこでは、心の交換により、知っているはずの人物の新たな1面、秘めた部分を知るための装置として働きます。

しかし「君の名は。」においては、知らない同士が入れ替わり、0から相手のことを知っていく。これが面白いポイントだと思います。

作中でも描かれたように、相手の目を通して、相手が生きる空間を、相手が日々をともにする人々を知り、そのことで滝は三葉を、三葉は滝を好きになる。出会ったことがない同士の恋という、ともすればご都合主義としか取られないものになるところを、不思議な説得力で表現していると感じました。

私が一番好きなシーンは、二人がやっと出会えたときに、滝が「大変だったよ。お前、すごい遠くにいるから」というところです。時間も空間も、運命さえも超えて、とんでもない苦労と奇跡の果てに三葉のところまでやってきたのに、それを滝が普通の言葉で表現したことで、楽しくてワクワクしていた二人の時間がまだ動きだしたんだ、と感じられて、嬉しかったです。

時間ものの物語が大好きで、映画や小説、マンガなどいろいろ見てきましたが、その中でも大好きな作品になりました。

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